視力のはなし

物が見えるしくみ
近視
遠視
乱視
老眼

【物が見えるしくみ】


図1.正視
目に入ってきた光は、角膜水晶体網膜視神経を通って影像として認識されます。

影像をより正確に見るために、目は自動的にピントを合わせています。毛様体(もうようたい)という筋肉水晶体(すいしょうたい)というレンズを押したり引いたりし水晶体の厚みを変えることでピントを調整しています。

また、焦点がちょうど網膜上にある状態を正視といいます。
角膜から網膜までの長さを眼軸長といい成人の正視では24mm前後が正常値になります。


焦点が網膜上にない状態を屈折異常といい正視に比べぼやけた見え方になります。
近視
遠視乱視がこれにあたります。

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【近視】

●近視とは?


図2.近視
光の焦点が網膜より前にある状態を近視といいます。

近視の多くは、眼軸長が長いために網膜上で焦点が合いません。このため近くは見えやすく遠くは見えにくくなります。

また、角膜や水晶体のピント合わせの力が強過ぎる近視もあります。

●近視の治療

治療には点眼薬による方法と手術による方法があります。
しかし、近視自身を根本的に治療するのは難しく、メガネやコンタクトレンズにより矯正するのが一般的です。

点眼薬 毛様体筋の緊張を和らげる点眼薬は、偽近視(仮性近視)の時期に有効とされています。
偽近視とは、目の使い過ぎにより毛様体節が異常に緊張し水晶体が厚くなり、一時的に近視になっている状態をいいます。
手術 角膜を放射状に切開する放射状角膜切開術やエキシマレーザーによる角膜切除術などがあります。
しかし、安定した視力が得られない場合や後遺症が残る場合もあるため、治療を受ける場合には十分説明を聞いて納得してから受けましょう。

●近視の矯正

近視眼 矯正後
近視の矯正には凹(おう)レンズを使います。凹レンズは焦点(ピントが合う点)を遠くにする働きがあり、近視の人が適切な度の凹レンズをかけると、網膜にピントが合って遠くがよく見えるようになります。

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【遠視】

●遠視とは?


図3.遠視
光の焦点が網膜より後にある状態を遠視といいます。

遠視の多くは、眼軸長が短いために網膜上で焦点が合いません。
また、角膜や水晶体のピント合わせの力が弱いための遠視もあります。

遠視があると、近くを見る時も遠くを見る時も常に過剰なピント合わせをしないとはっきり見ることが出来ません。このため遠視の人は目が疲れやすくなります。

若くて軽度の遠視の人はピント合わせ力が強く、視力検査をしても裸眼視力は良好です。学校の視力検査で遠視の発見が出来ないのはこのためです。

●遠視の矯正

遠視眼 矯正後
遠視の矯正には凸(とつ)レンズを使います。凸レンズは焦点(ピントが合う点)を近くにする働きがあり、遠視の人が適切な度の凸レンズをかけると、網膜にピントが合って近くがよく見えるようになります。

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【乱視】

●乱視とは?


図4.乱視
光の焦点が一点に集まらない状態を乱視といいます。
光が散乱すると、ぼやけて見えたり角度によって違って見えたりします。このため疲れ目や頭痛が表れやすくなります。

乱視の多くは角膜の形状が原因です。本来きれいな球面をしているはずの角膜が変形しているために光が乱反射してしまいます。

乱視は、正乱視(角膜カーブの強弱)と不正乱視(角膜表面の凹凸)に分類されます。

●乱視の矯正

乱視は、メガネやコンタクトレンズにより矯正できますが、乱視の種類により向き不向きがあります。

分 類 正乱視 不正乱視
軽度 重度 軽度 重度
メガネ × ×
ハードコンタクトレンズ
ソフトコンタクトレンズ × × × ×

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【老眼】

●老眼とは?

加齢とともに近くが見えにくくなる現象を老眼(老視)といい、正視の方では45歳くらいから発生してきます。

通常、近くを見る時は毛様体(もうようたい)という筋肉水晶体(すいしょうたい)というレンズの厚みを増しピントを合わせます。
ところが、水晶体は加齢とともに硬くなり弾力性が低下します。
このため近くを見る時に、水晶体が厚くなれず網膜より後ろに焦点がありピントが合いません。

近くを見る時 正 常 老 眼
水晶体が厚みを増してピントを合わせる 水晶体が硬く厚くなれない

●老眼と遠視の違い

老眼遠視はよく混同されますが実は全く違うものです。
網膜より後ろに焦点があるという点では同じですが、遠視は目の構造、老眼は目の機能が原因です。
また、遠くを見る時は水晶体は薄いままなので、老眼では良く見えますが遠視では見えにくいという違いがあります。

遠 視 老 眼
近くを見る時         
光の焦点が網膜より後にある 光の焦点が網膜より後にある
遠くを見る時
光の焦点が網膜より後にある 光の焦点が網膜にある

●近視の人は老眼にならない?

近視の人は老眼になりにくい」、「遠視の人は老眼になりやすい」といわれていますが、これは間違いです。
老眼とは、加齢とともに目のピント合わせ力が徐々に衰えて近くの焦点が合わせにくくなる状態です。近視の人にも、遠視の人にも同様にあらわれる症状です。

ただ、近視の人が老眼になると、近くを見る時にメガネが必要でなくなりメガネを外す(=老眼鏡不要)ということで老眼でないと誤解されているようです。

●老眼の矯正

老眼の矯正は、遠視と同じ凸(とつ)レンズで矯正します。ただ、近くを見る時に合わせた度数なので遠くはぼやけてしまいます。

また、遠視近視の人の場合、本来のメガネと老眼鏡の両方が必要となります。
これをひとつのメガネにする場合には、遠近両用のレンズを使用します。このメガネは1枚のレンズ内で遠方と近方の両方を矯正できるように設計されています。

矯正前 矯正後
 
凸(とつ)レンズ焦点(ピントが合う点)を近くにする働きがあります。

老眼は、60歳位までは比較的早く進行するため、おおよそ2〜3年に1度は眼鏡を作り直す必要があります。60歳を過ぎると度の進み方も遅くなり、75歳位でほとんど進まなくなります。
度数の合わない老眼鏡をかけていたり、見えにくいのに老眼鏡をかけていなかったりすると、眼精疲労・肩こり・頭痛といった症状があらわれます。

「老眼鏡をかけだしたら老眼が早く進む」ということはありませんので、見えにくさを感じたら放置せず、老眼鏡使用あるいは度数変更を検討しましょう。

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