@白内障とはどんな病気? A手術する時期は? B手術の方法は? C手術によるトラブルは? D日帰り白内障手術について |
@白内障とはどんな病気?
【原因】
目の中にある水晶体は、物を見るときにピントを合わせてくれます。水晶体は若い頃は透明ですが、年を重ねると濁ってきます。 この水晶体が濁った状態を白内障といいます。 白内障の原因のほとんどが老化によるもので、これを避けることはできません。 また、糖尿病があると白内障の進行が早くなります。 |
【症状】
痛み、かゆみはありません。ただ見えにくくなるだけです。症状のあらわし方は様々です。
また、白内障が進むと遠視から近視に変化することがあり、近くを見るのに老眼鏡がいらなくなった=目が良くなった、と勘違いされることがあります。このように見え方が変化した場合は、まず白内障の進行と考えて間違いありませんので眼科受診をお勧めします。
【治療】
一度濁ってしまった水晶体を透明に戻すことはできません。
広く使われている目薬(抗白内障点眼剤)は、水晶体の濁る速度を遅らせようというもので治療とはいえません。
治療法は手術しかありません。
手術によって目の前の障害物を取り除くと、白内障以外に眼の病気がなければかなり良く見えるようになります。
ただし、網膜の病気や緑内障など他の病気があると思ったほど視力が良くならないことがあります。手術前にどの程度視力が回復するか完全には予測できません。
A手術する時期は?
視力がいくつになったら手術をするという目安はありません。ひとりひとり生活も仕事も異なりますから、手術する時期は人それぞれです。
自分自身が不自由を感じたとき、が手術に適した時期といえます。
ただし以下のような場合には早期の手術が必要です。
1 | 水晶体の入っている袋に切り込みをいれます。 | |
2 | 濁った水晶体を超音波で砕いて吸い取ります。 ※水晶体の袋は残しておきます。 |
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3 | 人工水晶体(眼内レンズ)を袋の中に入れます。 濁っていた水晶体が透き通ったレンズに変わりました。 |
現在の白内障手術は非常に安全な手術となりました。しかし100%安全な手術というものはありません。
以下が考えられるトラブルです。
トラブル | 発生率 | |
手術中 | 後嚢破損 水晶体の袋の破れ・はがれにより眼内レンズを入れられないことがあります。 この場合、手術後にコンタクトレンズを使用するか、目の中に眼内レンズを縫いつける手術が必要になります。 |
500人にひとり |
駆逐性出血 ごく稀に、目の中で大量出血することがあります。 止血は難しく、最悪の場合かなり視力が低下します。 |
1万人にひとり | |
全身状態の悪化 白内障手術が全身状態に影響を与えるということはほとんどありませんが、どのような手術でも予測できない事態を引き起こす可能性があります。 |
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手術後 | レンズ度数の誤差 手術前の検査値から人工レンズの度数を決めますが、実際にレンズを入れると度数が合わないことがあります。場合により後日レンズを入れ替えます。 |
500人にひとり |
視力不良 緑内障や網膜症などの合併症がある場合、期待するほど視力が回復しないことがあります。 |
? | |
眼内炎 傷口から細菌感染が起こり、目の中が化膿することがあります。 最悪の場合、視力がかなり低下します。 |
2千人にひとり |
白内障手術の技術はめざましく進歩し、非常に安全に行えるようになりました。手術の切り口はわずか3o、手術時間も15〜20分と短くなったため入院せずに通院で手術を受けることができます。
当院では毎週木曜に日帰り白内障手術を実施しております。
白内障手術費用は、片眼につき、1割負担の方で約15,000円、2割負担の方で約45,000円となります。
どうぞ、お気軽にご相談ください。