結膜炎

@結膜炎とは?
A細菌性結膜炎とは?
Bウィルス性結膜炎とは?
Cアレルギー性結膜炎とは?


@結膜炎とは?

結膜が炎症を起こし、充血・目やに・涙・かゆみ・腫れなどが起こる病気です。

●結膜とは
結膜とは、
@上まぶた裏A白目B下まぶた裏の薄い透明の膜のことです。

この膜は、外から目の中へ異物が入ってくるのを防いでくれます。

【原因】

結膜炎の原因には、以下のようなものがあります。

このページの先頭へ


A細菌性結膜炎とは?

【原因】

細菌が原因で起こる結膜炎です。
原因菌は、黄色ぶどう球菌表皮ぶどう球菌など、身の回りによくいる細菌が大半です。

【症状】

異物感、目やに(黄色っぽく粘り気)、充血(中等度)

【治療】

抗生物質などの点眼で比較的はやく治ります。

このページの先頭へ


Bウィルス性結膜炎とは?

【原因】

ウィルスが原因で起こる結膜炎です。

【症状】

ウィルスの種類により、症状も経過もさまざまです。
代表的なウィルス性結膜炎には以下のようなものがあります。

病 名 写 真 ウィルス種 潜伏期間 罹病期間 症 状 感染力
流行性角結膜炎 アデノウイルス4,8,19,37型 5〜7日 2〜4週 目やに、充血、涙、まぶたの腫れ、耳前リンパ節(耳の下)のしこり・痛み
咽頭結膜熱 アデノウイルス3,4型 4〜6日 1〜2週 流行性角結膜炎より軽い結膜炎症状、、喉の痛み、発熱、全身のだるさ、吐き気、下痢
急性出血性結膜炎 エンテロウイルス70型 1日 1週以内 アデノウイルス結膜炎と似た結膜炎症状、白目の出血が特徴
ヘルペス性結膜炎 単純ヘルペスウィルス    2〜4週 水っぽい目やに、涙、痛み、まぶたの腫れ、眼の周りの皮膚に赤い発疹

【治療】

ウィルスに対する特効薬はありません。
症状を軽くしたり、他の感染を防止するために、抗生物質ステロイド点眼などを使用します。角膜に混濁など起こる場合もありますので、完全に治りきるまでは通院が必要です。

ウィルス(抗原)に対する抗体が自分の体の中にできるまで、症状が強くなることがあります。十分な休息と栄養をとり、体力を落とさないことが重要です。

【感染後の対策】

このページの先頭へ


Cアレルギー性結膜炎とは?

アレルギー反応が原因で起こる結膜炎です。
「アレルギー」とは、ある特定の物質に対して過敏に反応することをいい、原因となる物質を「アレルゲン(抗体)」と呼びます。
アレルギー性の結膜炎には、以下のようなものがあります。

病 名 写 真  
アレルギー性結膜炎


季節性(症状発現が季節性のもの)

花粉症は、これに分類されます。
目のかゆみ、充血、目やに、異物感などが自覚症状です。
アレルゲンは、花粉などです。

抗アレルギー点眼剤を使用しますが、症状が強い場合はステロイド点眼剤なども使用します。
通年性(症状発現が季節を問わない)

目のかゆみ、充血、目やに、異物感などが自覚症状です。
アレルゲンは、ハウスダストペットの毛などです。
春期カタル


春から夏にかけて増悪する重症の結膜炎で、小〜中学生の男子に多く、視力に影響の出ることもあります。

目のかゆみ、充血、目やにといった症状に加え、結膜に巨大乳頭(粒状の大きなはれ)や肥厚、角膜にびらんやプラーク(隆起性の白濁)を生じます。

また、春季カタル患者の約4分の3に、アトピー性皮膚炎の合併が見られます。

ステロイド点眼剤と、補助的に抗アレルギー点眼剤を使用します。

巨大乳頭性結膜炎




コンタクトレンズ、義眼、手術縫合糸などの刺激によって引き起こされる結膜炎です。

結膜に大きな粒状のはれを生じるため、目のかゆみに加え、異物感、目やになどが特徴的な症状です。
アトピー性角結膜炎 アトピー性皮膚炎に合併して起こる慢性角結膜炎です。

目のかゆみ、充血、目やにといった症状はアレルギー性結膜炎と共通ですが、結膜に脹れが見られることもあります。
また、角膜に病変を併発することもあり、重度の視力低下をきたす白内障網膜剥離などに発展することもあります。
乾性角結膜炎 涙腺の自己免疫疾患で、涙の分泌が低下するためドライアイとなります。中年女性に多く原因は不明です。

症状として、目の乾燥感・異物感、まぶしさ、視力障害、粘稠な分泌物、口内乾燥感があらわれます。
治療には、人工涙液の点眼や乾燥防止の点眼を使用します。
●花粉症
花粉症の原因となる植物は様々ですが、その代表的なものはスギです。
スギ花粉症は日本独特のもので、近年増えています。

スギ以外の原因となる花粉には、カモガヤなどのイネ科の雑草、ブタクサ・ヨモギといったキク科の雑草などがあり、いまでは40種類に近い植物による花粉症が知られています。
主な原因植物 開花時期および飛散時期
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
スギ(スギ科)
ヒノキ(ヒノキ科)
スズメノテッポウ(イネ科)
カモガヤ(イネ科)
ホソムギ(イネ科)
ハルガヤ(イネ科)
オオアワガエリ(イネ科)
ブタクサ(キク科)
ヨモギ(キク科)
カナムグラ

このページの先頭へ

ホームへ